リン酸処理とはどのように行われているの？
表面処理技術がきっかけ
リン酸処理の前に私たちの生活に欠かせない日常品の多くは、素材の機能を高めるための表面処理技術が施されています。表面処理技術とは、錆や腐食から金属を守るための技術のことです。表面処理技術の代表的なものとして、撥水処理と親水処理があります。撥水処理は水を弾く技術のことで、私たちの身の回りで使われています。撥水処理を施すと水滴は丸みを帯びて転がるように滑り落ちていきます。これは金属の表面と水滴の接触する角度が撥水処理をしたことで、大きくなって水を弾いているのです。親水処理とはエアコンの熱交換器に利用されています。親水処理は金属と水滴の触れる角度が小さくなり水が薄く広がります。エアコンに親水処理をすると、フィンの間を水が溜まることなく流れ落ちて水飛や目詰まりを防いでくれます。親水処理はエアコンの性能アップに大きく貢献しています。
リン酸亜鉛皮膜処理について
表面処理技術の中で代表的なものが「リン酸亜鉛皮膜処理」です。鉄は元々錆びる素材ですが、技術の発展によって耐久性や耐食性が大きく上がり腐食しやすい金属に広く利用されるようになりました。リン酸亜鉛皮膜処理を行うことで金属の表面に結晶性の皮膜ができ、金属の表面を隙間なく覆います。結晶は皮膜と塗装を強く結びつけるため、水や酸素が入るのを防ぎ金属を腐食から守る役割を果たします。
リン酸亜鉛皮膜処理を行うとどうなるの？
例えば溶融亜鉛めっきをスチール製品に施したとします。美しさが高まるだけではなく、高級感、濃厚さ、質感が自然となってきます。年が経つにつれて濃淡が落ち着いてくるので、周りの景色とも釣り合っていくことができます。
リン酸処理とは、金属表面に意匠性のあるグレーの化成皮膜を形成させる処理です。元々、塗装の前処理として用いられていました。化学的な処理であるため、不揃いな風合いや色調が現れます。